人が住めないほどに汚染された大気と大地。
レギオスという自立移動都市でのみ人は生活ができる。
ただでさえ過酷な環境の中、人を襲う獣の存在。
超能力じみた力を使い都市を守るヒト。
ようするにファンタジーな世界。
富士見のファンタジー長編小説大賞、準入選作品だが、1,2巻は自分の中ではあまり評価はよくない。
ライトノベル的なノリといったらいいのか、主人公の凄さを誇張するような話がもっぱら。
故郷を追い出されたという影を持ち、絶望するような戦況を1人で何とかしてしまう強さで、幼なじみに好かれながら、さらにさっさと他の女の子に好かれるフラグを立てる。
2巻では引き続き主人公の強さを誇張しながらも、優れた個人戦能力が優れた集団戦能力ではないことを示しながらも、結局は主人公の強さが立っている。
他にも主人公の葛藤や悩みも描かれてはいるんだけど、周りがその中身を知らないまま擁護的な想像で容認していて、気持ちが悪い。
まず、ここで読むのを止めようかと思ったが、刊行の早さもあって3冊目も手に取ってみた。
典型的なライトノベル補正がかかっていたとしても、世界観は悪くないと感じてはいたことも理由の一つ。
今回主人公の過去を間接的にながらも知り、それによって敵対するような相手ができたことで気持ち悪さも緩和されたが、もしこれで誤解があっさり解けて……とかだったら切り捨てていた。
それでも主人公の罪に対して同情の余地がある、というのを持ち出してきた点は評価できない。
汚点は汚点として生かすべきであり、美化要素を付加するのは納得いかない。
ただしファンタジー世界ゆえの設定は楽しませてもらっている。
特に主人公達のような武芸者が「人間」ではないという一言。
十二人の天剣が揃わなければ意味がないという言葉。
そしてレギオスに宿る存在が後々どういった要素となるのかは、期待しておこう。
ただ、これ以上の主人公補生は御免だ。

